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経理の手を減らす4つの方法と、それぞれの限界

経理まわりの作業が重くなってきたとき、取れる手は大きく4つです。外注する、人を雇う、ツールを入れる、作業ごと自動化する。

どれが正しいという話ではありません。会社の状況によって向き不向きがはっきり分かれます。ここでは、それぞれが何に向いていて、どこで行き詰まるのかを整理します。最後に、私たちのやり方が合わない場合も書きます。

その前に ── いま起きていること

前提として、中小企業のバックオフィスは構造的に苦しい状態にあります。

  • バックオフィスの悩みで最も多いのは「属人化」で、50.0%の企業が挙げています(MJS)
  • 担当者の退職・休職で業務継続に影響が出る企業は82.6%。うち44.2%は「事業継続に重大な支障」と答えています(kubell)
  • 経理・総務の76%が毎月残業しています(freee)

つまり「人が足りない」だけの問題ではありません。ひとりに寄りかかった状態そのものがリスクになっている、というのが今の姿です。

1. 代行・BPOに任せる

向いているとき

今すぐ手を離したい。採用しても続かない。業務の中身を整理する時間すら取れない。

限界

人手で回す以上、量が増えれば費用も増えます。月末に集中する仕事なので、時間枠のある契約だと超過料金が乗りやすい。

それより効いてくるのは、中身が見えにくくなることです。何がどう処理されているかが社外にあるため、社内に知見が残りません。属人化が解消されたように見えて、属人化の場所が社外に移っただけになることがあります。担当者が替われば品質もリセットされます。

依頼のコストも見落とされがちです。依頼文を書き、質問に答え、翌営業日の返事を待つ。この往復は、やってみると意外に時間を食います。

2. 人を雇って、人がやる

向いているとき

業務がまだ小さい。判断の多い仕事が中心。社内に残したい知識が多い。

限界

採用と定着のコストが上がり続けています。中小企業の賃上げは約30年ぶりの高水準で、人手が足りずに事業が続かない倒産は2025年度で441件、3年連続の過去最多です(帝国データバンク)。

そして、採用で属人化は解けません。むしろ、その人に仕事が集まるほど深まります。締め作業の残業も構造として残ります。月末に仕事が集中するのは、人を増やしても変わらないからです。

3. ツールを入れて自動化する

向いているとき

毎月同じ作業が多い。社内に設定や運用を見られる人がいる。

限界

ここがいちばん誤解されている点かもしれません。システム化済みの企業は81.9%ある一方で、82.2%が「負担は軽減されていない」と答えています(ワークフロー総研)。

理由の上位は「システム連携できていない」60.8%、「属人化」48.6%、「自動化に繋がらない」37.8%。

つまり、道具が足りないのではなく、道具と道具の間が繋がっていない。請求書を読むツール、管理表、会計ソフト、ネットバンキング——それぞれは動いているのに、間を人が手で繋いでいる。転記が残っている限り、作業時間は減りません。

加えて、ツールを増やすと覚えることが増えます。画面が増え、設定を知っている人が1人だけになり、その人が抜けると誰も触れなくなる。属人化の形が変わっただけ、ということも起こります。

4. 引き受けたうえで、自動化する

私たちのやり方です。まず実務を担当し、繰り返しの多いところから順に仕組みへ置き換えていきます

外注のように「今すぐ手を離せる」状態から始めて、自動化が進むほど手作業が減っていく。作ったものはお客様の業務に沿って作るので、社内に残ります。

向いているとき

請求・支払・契約まわりに毎月同じ作業がある。いまの会計ソフトや管理表を変えたくない。自動化したいが、設計を自社でやる余力がない。

限界と、合わないケース

正直に書きます。

  • 範囲は請求・支払・契約が中心です。 電話対応や来客、採用事務まで含めて任せたい場合、そこは今のやり方を続けていただくことになります
  • すでにERPが確立している50名超の企業には向きません。仕組みが整っているところに、別の仕組みを足す意味が薄いためです
  • 紙とFAXが中心の業務は、まず電子化から必要になります。そこから始める場合は、効果が出るまでに時間がかかります
  • 記帳・申告そのものは税理士の先生の領域です。私たちが引き受けるのは、その手前の「請求書を出す・支払う・証憑を揃える」実務です

選ぶときの目安

4つを分けるのは、結局この3つだと思っています。

1. 量が増えたとき、費用はどう動くか

人手で回す方法は、量に比例して増えます。自動化された部分は増えません。いまの作業量が今後も増える見込みなら、ここは効いてきます。

2. やめたとき、何が残るか

外注をやめれば引き継ぎ書を書き直すことになります。担当者が辞めれば、その人の頭の中にあったものは消えます。自動化した手順は、残ります。

3. 決裁は誰が持つか

どの方法を選んでも、振込を実行するかどうかの判断は自社に残ります。ここは外せません。逆に言えば、それ以外はどう分担してもよい、ということでもあります。

まとめ

  • 外注は速いが、量に比例して費用が増え、知見が社内に残りにくい
  • 採用は知識が残るが、コストが上がり続け、属人化は解けない
  • ツールは繋がっていないと効かない。8割が「負担は減っていない」と答えている
  • 引き受けて自動化する方法は、外注の速さと自動化の逓減を両立できるが、範囲が請求・支払・契約に限られる
  • どれを選んでも、振込の最終判断は自社に残る

どの方法が合うかは、いまの業務量と体制によります。伺ったうえで、自動化できる範囲を無料でお出ししています。合わないと判断した場合は、その旨を正直にお伝えします。お問い合わせはこちらから、状況をお聞かせください。


出典

MJS税経システム研究所「中小企業の経理担当者の働き方&実務の困りごと実態調査」2024年12月・n=362 / 株式会社kubell「中小企業のバックオフィス担当者の属人化に関する調査」2026年5月・従業員300名未満・n=86 / フリー株式会社「締め残業に関する実態調査」2024年6月・従業員11〜1,000名の経理・総務・n=1,000 / 帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2025年度)」2026年4月 / ワークフロー総研「DX実態調査」2023年9月・従業員200名以下・n=110

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